Miyakawa Blog

ウェブディレクターが日々のことを綴るブログ

横溝正史先生と京極夏彦先生

横溝正史先生(1902年5月24日 - 1981年12月28日) 金田一耕助シリーズが非常に有名で、映画化およびTVシリーズ化された作品も多数あり。 獄門島犬神家の一族などの有名作品多数。

京極夏彦先生(現役作家) 「姑獲鳥の夏」で鮮烈デビュー。 百鬼夜行シリーズにおいては1冊あたり、1000ページを超えるものがほとんど。 茶色のブックカバーをつけるとまさに「レンガ」のようです。 【百鬼夜行シリーズ】 ・姑獲鳥の夏魍魎の匣狂骨の夢鉄鼠の檻 ・絡新婦の理 ・塗仏の宴 宴の支度 ・塗仏の宴 宴の始末 ・陰摩羅鬼の瑕邪魅の雫

金田一耕助シリーズを読もうと思った経緯

京極夏彦先生の百鬼夜行シリーズの「陰摩羅鬼の瑕」にチラッと登場した、横溝正史

京極夏彦先生はなぜ、横溝正史先生を登場人物として自分の作品に登場させたのか? 作中の登場人物に絡める形で横溝正史先生が登場してきたので、「邪魅の雫」まで読んだのでこの機会に横溝正史先生の作品を読んでみました。 横溝正史先生の作品が京極夏彦先生にどのような影響があるのか興味がわいたのです。

読見終えた金田一耕助シリーズ

一部まだ読んでいる途中の本もありますが、今回読んだ本のリストです。

本陣殺人事件(読了) 獄門島(読了) 八つ墓村(読了) 悪魔が来りて笛を吹く(読了) 犬神家の一族(読書中)

*「八つ墓村」は大団円であり、ロマンスもあったので個人的には好きな作品の1つになりまし。

作品の描き方

例えば、登場人物の描写方法や社会背景、時代背景の描き方は似ていると言えば似てなくもないが、当然京極先生の作品は文書量がハンパなく多いので、細部が細かく描かれているでしょう。 しかし、短い文章の中でも横溝先生の作品は必要な情報を的確に配置されているため、文章量が少ないからと言って決して読み応えが無いわけではない。作中での緩急の付け所はあり、終始事件に的を絞った物語であるため読みやすい。

歴史と民俗学資料の付加と、京極ワールド

金田一耕助シリーズの文章に肉付けを行ない、民俗学的な、あるいは歴史的な要素を付加していった作品形態が、百鬼夜行シリーズと言えなくもないと思われる。

しかし、京極先生の作品の面白さはそこでは終わらない。 事件に民俗学歴史学を付加したところに京極先生独自のエッセンスを加えてさらに面白さが増幅されているのと思われる。

先生独自の面白さのエッセンスとは、人間描写の細かさであろう。 最新刊の「死ねばいいのに」「数えずの井戸」などでも感じることだが、登場する人物1人1人に細かいキャラクタを設定し、そしてしゃべらせているのである。おそらく京極先生は人間ウォッチングと人間描写の天才ではないでしょうか。

百鬼夜行シリーズでは主役級の登場人物を3名(中禅寺、木場、榎木津)と名脇役3人(関口、青木、益田)を適材適所で扱い物語の怪奇性を引き立たせるのである。 中禅寺には関口が、木場には青木が、榎木津には益田というふうにコンビになるキャラクタの扱い方が面白さを増幅させていると思われます。 もちろん、登場人物を増やしたからと言って面白くなる保証などどこにもないわけですが、このキャラクターたちを本の中で踊らせて、物語に怪奇を持たせ、事件を盛り上げるわけです。

もちろん、毎事件に新しく登場する関係者の1人1人にも細かいキャラクタ設定が行われて、物語を引き立てていることはいうまでもありません。

金田一耕助シリーズと百鬼夜行シリーズ

下記は金田一耕助シリーズで発生した事件の伏線と、京極作品で影響を受けている本の組み合わせをしめしたものです。 2冊を読み比べてみても面白いかもしれません。

■本陣殺人事件 新郎新婦が結婚した翌日の朝に死体で発見される ・・・・陰摩羅鬼の瑕(新婦だけが翌朝死んでいる)

発見された建物周りの積もった新雪に足跡が無いという密室トリック ・・・・鉄鼠の檻(第1の殺人が新雪で覆われた庭の真ん中に現れます。足跡がない状態で。)

獄門島 見立て殺人があり、坊主が絡んでくる 外界から隔離ぎみの離島(定期船ぐらいはあります) ・・・・鉄鼠の檻(たくさん坊主が現れます。見立て殺人も行われます)

殺人者は自分の意思で殺人を起こしているように見えているが、、、、 ・・・・絡新婦の理(読んでください。あまり詳しくはかけません)

八つ墓村 毒殺がたくさん起きます ・・・・邪魅の雫(毒殺がたくさんおきます)